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大阪高等裁判所 昭和45年(く)92号 決定

少年 N・J(昭二七・二・二四生)

主文

本件抗告の申立を棄却する。

理由

附添人中井一夫作成にかかる本件抗告申立書には、抗告の趣旨として、「原決定を取り消し、適当な裁判を求める」と記載され、また抗告の理由として、「追つて理由書を提出する」と記載されているだけで抗告の趣意に関しては、具体的な記載がなく、かつ、その後、抗告期間内に右理由書を提出するなど抗告の趣意の明示を全うした形跡がない。そうすると、本件抗告の申立は、原決定に如何なる誤り或いは不当があると主張するのかを明らかにしない点において、少年審判規則四三条二項の規定に違反し、不適法であるといわざるを得ない。

よつて少年法三三条一項前段、少年審判規則五〇条に則り、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 三木良雄 裁判官 西川潔 金山丈一)

参考 抗告申立書

〔少年〕 N・J(昭二七・二・二四生)

右強姦致傷等少年事件につき神戸家庭裁判所姫路支部に於て昭和四五年十月二六日中等少年院送致の決定を受けましたが不服でありますので抗告の申立を致します

抗告の趣旨

右決定を取消し適当なる御裁判を求める

抗告の理由

追つて理由書を提出する

昭和四五年十一月六日

右附添人 弁護士 中井一夫

大阪高等裁判所 御中

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